2009年度 日本演劇学会 全国大会
テーマ : 演劇と共同体
場 所:大阪市立大学(大阪府住吉区)
演劇という表現形態は、それを生み出した共同体との関係を無視して考えることができない。ただし、ここで言う共同体とは、さまざまな制度、規範、信仰、あるいは経済的基盤によって演劇を支える社会集団、エスニシティ、国家、さらには脱国家的な共同体といった大きな枠組みを指すだけでなく、演劇の制作に直接、間接に関わる人々、すなわち俳優、演出家、劇作家、裏方、制作者、劇評家、さらに観客によって構成される共同体が含まれる。前者を広義の共同体と呼び、後者を演劇をめぐる共同体と呼ぶとすれば、両者の関わり方、すなわちそこにかつて存在し、あるいは今日発生しているさまざまな問題や、両者の今後の可能性について考察することも必要となろう。また、前者と後者の間に介在し、いわばその橋渡し的な役割を担う祭礼、集団としての教育、裁判を含めた政治的な表象行為などが、演劇とどのような関係を持っているかについて考えることも可能である。
今回の大会では、上記のようなさまざまな視点から、演劇と共同体との関係について幅広い研究発表と討議、さらに個々の専門分野を越えた学際的な交流が行われることを期待するものである。
大阪市立大学文学研究科
日本演劇学会全国大会実行委員会 三上雅子・小田中章浩 |
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