2002年度春季大会報告



 2002年度日本演劇学会春季大会は、5月25日(上)26日(日)の両日、東京神田の共立女子大学文芸学部校舎において開催された。

 前日の24日(金)午後には、恒例の前夜セミナーとして、東京宝塚劇場において宝塚花組公演を観劇し、そのあと演出家と主演者を交えての懇談会をもった。なごやかな雰囲気の中で、活発な質疑応答が行われ、大会の宝塚シンポジウムにつながる格好のセミナーとなった。

 2日間にわたる大会では、第1日日午後に、研究発表、総会、河竹賞授賞式、新会長基調報告、宝塚シンポジウムが行われた。シンポジウムには、宝塚歌劇団より植田理事長、宙組々長が出席し、宝塚の舞台が演劇研究の対象となることの意義について、さまざまの意見が述べられた。このシンポジウムは共立女子大学との共催であったこともあり、会場は満員の聴衆で熱気あふれたものとなった。

 第2日日は、午前の研究発表に続いて、午後は東西のプリマドンナと題する武谷なおみ(ジュリッタ・シミオナートの人と芸術)、大笹吉雄(女優・杉村春子)、渡辺保(立女形・六世中村歌右衛門)各氏の特別講演があり、全体の会員参加者は150名を越す盛況であった。