西洋比較演劇研究会例会案内
2004年度
●2005年1月例会のお知らせ

謹賀新年。世の中のためにできる小さな力を出したいものです。会としても、今年も充実した活動を行ないたいとおもいます。まずそのはじめとして、非常に今日的なテーマです。


日時: 1月22日(土)14:00―18:00時 
場所: 成城大学3号館1階会議室(変更の可能性あり) 

<ヴィデオ鑑賞+研究発表>
発表者 日比野啓
同時代アメリカン・ドキュドラマにおける真実の表象:アンナ・デヴェア・スミス『トワイライト:ロサンゼルス1992』を中心に

1920年代ピスカトーアによる演出を嚆矢として、60年代にホーホフート、キップハルト、P・ワイスらの問題作が相次いで上演されることで脚光を浴び たドキュドラマは、現在本家ドイツよりもアメリカ合衆国で盛んに上演されている。そればかりか、今回取り上げるロス暴動を扱ったAnna  Deavere Smith のTwilight: Los Angeles 1992 や、燐光群が上演して日本でも話題になったMoises  Kaufman の Laramie Project などはテレビ映画版が作られて放映されたし、やや毛色は違うものの、同時多発テロを扱った Anne NelsonのThe Guysなどはハリウッド映画にもなった。これらはいわばドキュメンタリー映画の演劇ヴァージョンとして、すなわち紛れもない真実がそこに表象されているものとして、観客は受容しているのだろうか? それとも、よいドキュメンタリー映画がそうであるごとく、自らが語っているのは真実ではないかもしれない、という疑いをそこに提出しているのだろうか? 本発表では、Twilight: Los Angeles 1992の大半と、Laramie  ProjectおよびThe Guysの一部をヴィデオで鑑賞したのち、発表者の考えを述べたい。なお、参考文献として、日比野啓「ロスアンゼルスの悪魔祓い:ジェイムズ・エルロイ/マイク・デイヴィス/アンナ・デヴェア・スミス」、『ユリイカ』第32号第16巻 (2000年12月臨時増加号「総特集=ジェイムズ・エルロイ」、2000年12月25日)をあらかじめ参照されたい。
注:この参考文献はhttp://khibino.s19.xrea.com/exorcism_at_la.htm
からpdfファイルをダウンロードしてください。

日比野啓
成蹊大学文学部助教授・こまばアゴラ劇場客員学芸員。比較演劇・演劇理論。編著『か
らだはどこにある?:ポップカルチャーにおける身体表象』(彩流社、2004年)等。論
文に「奴らはdrummer、やくざなdrummer―アメリカ演劇に見る『セールスマン殺し』の
儀式―」『英語青年』第149巻6 号(2003年9月)、「演劇博士バルトロメウスの日本探
訪」『ユリイカ』第35巻17号(2003年12月)、「怪しうこそ物狂ほしけれ:語り部=ヒ
 ステリー患者としての樋口一葉―井上ひさし『頭痛肩こり樋口一葉』論」『國文学』
第49巻第9号(2004年8月)等。

終了後にささやかな新年の懇親会を致します。振ってご参加を。
研究発表希望者は山下 までご一報下さい。


●2004年12月例会のお知らせ

多事多難、そして危険な政治状況の続く中で、本年最後の例会です。中堅研究者の興味深い発表に、ふるってご参加ください。

日時: 12月18日(土)14:00―18:00時
  *年度初めに12月4日とお知らせしましたが変更になりました。

場所: 成城大学2号館1階会議室 

研究発表1:「演劇としての食事――『タイタス・アンドロニカス』における人肉食と料理服をめぐって――
        
発表者  小菅 隼人

研究発表2:「シェクナーのDyonysus in 69 : 分析的紹介の試み」
        発表者  北野 雅弘

発表募集:希望者は山下までご一報を。
会費納入がまだの方、よろしくお願いいたします。


●2004年10月例会
日時: 10月23日(土)14:00―18:00
場所: 成城大学2号館1階会議室 (変更の可能性あり)

■研究発表1:「1910年代マックス・ラインハルトの海外公演―『ズムルン』と『オイディプス』の比較分析」
発表者  大林 のり子
■研究発表2:「ロシア演劇のアマチュアリズム」
発表者  村田 真一    


●2004年9月例会
日時: 9月25日(土)14:00―18:00
場所: 成城大学2号館1階会議室
■新刊書合評
斉藤偕子著 『黎明期の脱主流演劇サイト・ニューヨークの熱きリーダー1950-1960』(鼎書房、2003年)
基調報告者 堀真理子、大貫隆史
■発表 
三輪 えり花 「翻訳劇上演の現場」    
   


●2004年7月例会    

日時 7月10日午後2時ー6時
場所 成城大学 3号館1階会議室
■ 資料紹介
山下純照
「ドイツ演劇史・事始 ―― ヨーハン・フリードリッヒ・レーヴェン『ドイツ演劇の歴史』(1766)を中心に」
■ 研究発表
萩原 健
「演劇におけるモンタージュ ―― 演出家エルヴィーン・ピスカートアのヴァイマル共和国期の仕事」


●2004年5月例会    日時:5月29日(土)14:00―18:00時
場所:成城大学3号館 会議室
1 研究発表
井上優「初期アヴァンギャルディストのシェイクスピア上演 
――ラインハルトとメイエルホリドの『ハムレット』に見られた視覚戦略を中心に――」
2 学会報告
  毛利三彌 「国際演劇学会(ペテルスブルク)参加報告」
3 討論会
 ■ アジア演劇研究について
  発題 毛利三彌
 ■ 研究例会の長期展望について
  発題 山下純照


●2004年4月例会   日時:4月17日(土) 14:00-18:00時
場所:成城大学3号館1階会議室(変更)
総会:(14:00-15:00)
講演:(15:00-16:00)
「ハムレットにみる映画表現」             北川 重男
シンポジウム:(16:00-18:00)
「シェイクスピア映画再考」

パネリスト  井上 優(司会)・狩野 良規・小菅 隼人           
コメンテイター 服部久美子・曽根 幸子(ゲスト、映像美学) 
今年度の例会日程は以下のように予定しています。
  5月29日、7月10日、9月25日、10月23日、12月4日、1月15日