日本演劇学会
全国大会・研究集会・コロキウム

2016年度 日本演劇学会 全国大会  

テーマ:ポストグローバリゼーション時代の日本演劇

◆ごあいさつ

 現在、グローバリゼーションの潮流はいまだ収まる兆しを見せてはいません。他方で領土問題や人種問題など民族間の抗争や覇権を巡る争いもまた一向に出口が見えず、世界はますます混沌としています。現代がポスト・グローバリゼーションの時代だとすれば、世界はいったいどこに向かっているのでしょうか。現代世界を反映しているはずの日本演劇は、そして演劇研究は、このような時代にあってどのような姿を現し、どこを目指していくのでしょうか。
 日本演劇は長いその歴史の中でもとりわけ戦後 70 年間、日本の社会文化的文脈の中で個性的で独自の相貌を育んできました。それは世界演劇の中で歓迎され、評価され、新しい演劇創造の源泉として寄与してきました。しかし近年急激に進んだ地球規模の意識は、「国家」や「地域」の壁と同様に演劇の境界を消失しようとしているのでしょうか。それともその流れに抗ってあくまでも固有の美学を追求し続けようとするのでしょうか。
 もっともこのようなことは今日だけの問題ではありません。遠くは奈良時代から大陸や朝鮮半島の演劇文化を受け入れてきた日本は、つねに外の演劇を受け入れてきたと言っても過言ではありません。それがもっとも活発になるのが 20 世紀以降のことなのでしょう。その要因には、近代化、戦争、亡命、植民地主義、経済停滞、冷戦、反近代主義、バブル経済など様々なものがありました。そして 2000年代になり、グローバルで画一的な文化とローカルで固有な文化の混沌の中で、日本演劇は何を学び、どこへ向かおうとしているのでしょうか。
 日本演劇の研究と日本の演劇研究もまたグローバリゼーションの波にさらされて来ました。かつてないほどに日本以外の国々で日本演劇の研究が行われ、日本演劇についての出版も行われています。日本の演劇研究は日本ばかりではなく、早晩、世界の研究との網の中で進めざるを得なくなるのではないでしょうか。それは日本以外の国で実に多様な日本伝統演劇のグループが、創作や上演を行っている状況と平行関係があるのではないでしょうか。
 日本演劇学会では、2003 年に「世界の中の日本演劇」をテーマに全国大会(関西外国語大学)を開催しました。極めて多彩な日本演劇の実相に肉薄しようとしたあの大会から一巡りし、さらに混沌の度合いを増した現代世界の中で、日本演劇と日本の演劇研究が直面する問題を明らかにし、日本演劇の未来について討論したいと思います。ふるってご参加ください。


 2016年度日本演劇学会全国大会実行委員会 大阪大学文学研究科演劇学研究室

 

◆日 程:2016年7月1日(金)~3日(日)

◆会 場:大阪大学 豊中キャンパス(〒560-8532 大阪府豊中市待兼山町1-5)

◆受 付: 7月2日…法経講義棟1・1階ロビー(9:30~)

7月3日午前…法経講義棟1・1階ロビー(9:30~)

3日午後…シグマホール(Σホール、基礎工学国際棟)・1階ロビー(12:30~) 

◆懇親会:7月2日(土)18:00~ 豊中学生センター・学生交流棟1階「宙 Sora」

◆大会参加費: 1500 円  昼食代(お弁当・お茶)1000 円 ※日曜日のみ・事前予約制
懇親会費 4500 円(学生 2500 円)

◆郵送いたしました参加申し込みハガキに必要事項をご記入の上、6月10日(金)当日消印有効でご発送ください。総会御欠席の方は委任状の記入をよろしくお願いいたします。

★ 前夜祭は現地集合・現地解散です。チケット代2000円は現地受付でお支払いください。
★ 学外のレストラン等は近隣にございません。土曜日は構内の生協食堂等をご利用ください。
★ 日曜日は学内の生協食堂・コンビニは営業しておりません。近隣のコンビニはグラウンド側の東口を出たところにあります(各会場から徒歩約10分)が、できるだけ、お弁当をお申込みいただくか、駅近くでご購入の上ご来校ください。なお、大阪モノレール柴原駅付近にはコンビニはございません。

大会プログラム:PDFファイル

 

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