2025年度研究集会 研究発表募集のお知らせ【第二報】
公開日:2025-04-28 / 更新日:2025-05-12

テーマ:演劇とその社会的応用
開催期間:2025年10月18日(土)・19日(日)
会場:芸術文化観光専門職大学(兵庫県豊岡市山王町7-52)
企画趣旨
社会の中に演劇があるのだから、演劇が社会的なものであることは疑いようがない。一方で演劇のある部分を社会のある部分のために用いる応用演劇実践も社会には存在する。
本集会のテーマは「演劇とその社会的応用」である。本学会でもたびたび議論されてきているように、演劇芸術の持つ総合性、文学性、身体性などの特徴を、教育、心理臨床、地域、観光、その他の様々な分野で個別の問題にフォーカスして生かすような実践が、我が国においてもさかんに行われてきた。
例えば、豊岡市では全小中学校で演劇ワークショップによるコミュニケーション教育が行われていたり、豊岡市、朝来市などの但馬地域3市2町では全ての高校相当の学校で演劇教育が行われている。また養父市では現在、演劇を医療と接続する試みが行われている。豊岡演劇祭では、地域で演劇をつくること、演劇を観ること、劇場を巡ることが、観光という観点から地域の活力を創出する契機となっている。
一方で、そうした一見応用実践とされているような、地域の住民や子どもたちが参加する演劇や障がい者演劇など、それは本当に応用演劇なのか、いや純粋な演劇なのではないか、といった判別しがたい実践も近年は数多く存在する。
本集会においては、演劇の「社会的応用」という概念をあえて提示することで、演劇そのものの持つ社会性についての議論も含めて、演劇を応用するとはどういうことか、そもそも純粋な演劇とは何か、応用演劇は演劇の芸術性を蔑ろにしているのか、応用演劇は純粋演劇の下位にあるのか、演劇を応用することでもたらされる社会への影響とは何か、など本質的な議論が展開されることも期待している。
具体的な研究テーマ及び分野としては、学童、保育園、幼稚園、小・中・高校の演劇教育、定時制・通信制・特別支援における演劇教育、専門学校・大学及びその他の高等教育機関における演劇の応用、地域演劇、地域ミュージカル、公共ホールにおける住民参加型演劇、町おこしと演劇、障がい者演劇、高齢者演劇、刑務所・医療・福祉事業所などにおける演劇の応用、企業研修における演劇の応用、宗教と演劇、コミュニケーション教育と演劇、ボアールの被抑圧者の演劇、ブレヒトの教育劇、演劇ワークショップ、アプライドドラマ、サイコドラマ、ソシオドラマ、ドラマセラピー、ロールプレイ、インプロ、アートベースリサーチ等の研究方法としての演劇、パフォーマンス学と演劇、演劇理論の社会的応用などが考えられよう。
地域の中で演劇芸術の可能性を教育・観光の分野で追究している本学で、演劇とその社会的応用についての議論が深まることを期待する。また開催校の特質も踏まえ、事例紹介、ワークショップなどの開催も検討している。テーマ以外の発表も含めて、ぜひ多くの研究発表、パネルディスカッションの応募をお待ちしている。
2025年日本演劇学会研究集会実行委員会
平田オリザ(実行委員長)、尾西教彰、平田知之、鎌田麻衣子
応募資格及び応募要領
- 日本演劇学会の会員であること。パネルセッションの場合も、複数の発表者全員が会員であることとする。
【注意事項】- 応募時に、2025年度までの会費を完納していること。
- 新入会の場合、応募時までに、2025年度の入会手続き(オンライン申請)および会費納入を済ませることで応募可能とする。会費納入が確認された時点から応募可能のため、余裕をもって手続き下さい。
- 応募は、個人・パネルセッションの別に限らず1人1件とする。
- 研究発表の内容は、学会(他の学会含む)や雑誌等において未発表のものとする。
- 発表要旨に盛り込むべき内容は、予定としての概要ではなく、実際に発表する内容の要約として、論点、論証の概略、学術的な意義や独自性などを完結明瞭に記載すること。
- パネルセッションは、会員が自由にテーマを設定し、複数名で研究発表およびディスカッションを行うものとする。応募代表者は、人選、発表の手順、発表とディスカッションの時間配分などを自由に企画することができる。ただし、要旨には、テーマの学術的な意義や論点を記すとともに、司会および発表者の役割分担(各発表タイトル)などについても記載すること。
- 個人発表の時間は35分(発表25分、質疑10分)、パネルセッションは2時間とする。
応募書類
下記の1.~6.の情報をA4一枚にまとめ、E-mail添付(件名:2025年度日本演劇学会研究集会応募)、または郵送でご提出ください。
【注意事項】メール不着防止のため、下記「応募・お問い合せ先」記載のメールアドレス①・②の両方に同じ内容をお送りください。
- 発表題目および、研究発表かパネルセッションの種別
- 発表者氏名(ふりがな)
- 所属・身分(学年)
- 連絡用の住所、電話番号、E-mailアドレス
- 使用予定機器
- 発表要旨(個人発表は800字、パネルセッションは1,600字程度)
応募締切
2025年7月31日(木)必着
※採否結果は、9月初旬頃に通知の予定です。
応募・問い合わせ先
2025年度日本演劇学会研究集会 実行委員会 宛
〒668-0044 兵庫県豊岡市山王町7-52
芸術文化観光専門職大学 尾西教彰研究室内
E-mail①: n_onishi★stdat.at-hyogo.ac.jp (★をアットマークに換えてご送信ください)
E-mail➁: jstr2025cat★gmail.com (★をアットマークに換えてご送信ください)
※e-mail でのお問い合わせにご協力をお願いいたします。メール不達対策として双方のアドレスにお送りくださいますようお願いいたします。