2026年度研究集会 研究発表募集のお知らせ【第二報】

2026年度研究集会バナー

期日:2026年10月17日(土)、18日(日)

会場:成城大学 
〒157-8511 東京都世田谷区成城6-1-20 成城大学文芸学部3号館 

テーマ:オブジェクトシアター/人形劇と「ポストヒューマン」

趣旨

 人形やオブジェクトは、演劇における重要な表現手段として古代から現代に至るまで多様な形で展開されてきた。コロナ禍を経て存続の危機に直面しつつも日本全国に存在する多様な人形芝居はもちろんのこと、国内外における現代人形劇は、人間と物の関係を改めて問い直し、私たちの演劇的想像力に新たな刺激を与えている。近年、ニューマテリアリズムの隆盛と共にオブジェクトシアターも新たな展開を迎えている。社会との関わりにおいては、幅広い年代に受け入れられる人形劇には教育や医療ケアなど包摂的な役割がある一方、第三帝国や大日本帝国で見られたようにプロパガンダとしての利用も起きた。こうした背景を踏まえつつ、人形と物の演劇的可能性を多角的に探求する機会としたい。

 こうした方向性をさらに力強く押し広げる契機となるのがポストヒューマンの概念である。それは一面で人形劇/オブジェクトシアターの考察を深い基盤から捉えなおすことを可能にする。たとえばモノの能動性という概念が考えられる。人形やオブジェクトは従来、人間の操作を受ける受動的存在とされてきたが、ポストヒューマンの理論では物質そのものに能動性があると考えられる。人形劇研究において、人形は単なる道具ではなく、独自の存在論的地位を持つアクターとして再概念化されうる。操演者と人形の関係は支配-被支配ではなく、相互作用的な共演関係として理解されるだろう。

 とともに、ポストヒューマンの概念はより広い演劇的現象にも結びつく。たとえば、身体性の再考の観点がある。従来の演劇における人間の身体を中心とした表現から、テクノロジーとの融合や拡張された身体性への探求が生まれている。パフォーマーがデジタル技術、プロジェクション、ウェアラブルデバイスなどと一体化することで、人間の限界を超えた表現が可能になっているからである。さらに、主体性の脱中心化という観点からも、人間を唯一の行為主体とする西洋演劇の伝統に疑問を投げかける。動物、植物、機械、環境そのものが演劇的な「アクター」として捉えられ、よりエコロジカルで包括的な演劇観の可能性が考えられる。カレン・バラードの撹乱的リアリズムや物質的フェミニズムの視点も、人形の「もの性」と「生命性」の境界を問い直すのに役立つかもしれない。

 また、AI、ロボティクス、VR/ARなどの技術が単なる道具ではなく、創造的なパートナーとして演劇制作に参加する新しい形態が探求される。人間とAIの協働による即興演劇や、観客の生体データに反応するインタラクティブな作品などが構想される。引いては、デジタル技術により、従来の劇場の物理的制約を超えた新しい時空間での演劇体験が可能になり、リモート参加や複数の現実レイヤーが重なり合う作品が制作されているだろう。

 以上の潮流に対し、学際的なスタンスから、哲学、科学技術研究、環境学などとの対話を深めながら、新しい演劇理論と実践を構築する可能性が見込まれる。

 もちろん、これ以外のテーマでの発表も歓迎する。ぜひ多くの研究発表、パネルセッションの応募をお待ちしている。

2026年度 日本演劇学会秋の研究集会実行委員会
山下純照、山口遥子

応募資格および応募要領

日本演劇学会の会員であること。パネルセッションの場合も、複数の発表者全員が会員であることとする。

【注意事項】

  •  応募前7月末までに、2026年度までの会費を完納していること。会費の納入状況については学会HP上の会員マイページで確認ができます。
  • 新入会の場合は、応募時までに、2026年度の入会手続き(オンライン申請)と会費納入を済ませていただくことで発表応募可能です。会費納入が確認された時点より応募が可能となりますので、余裕を持ってお手続きをお願いします。
  • 応募は、個人・パネルセッションを通じて、1人1件とします。
  • 研究発表の内容は、学会(他の学会含む)や雑誌等において未発表のものとします。
  • 研究発表要旨では、予定としての概要ではなく、実際に発表する内容の要約として、問題提起、アプローチの仕方、主な論点、主張と論証の概略、独自性のありかを完結明瞭に記載してください。また科研費等、外部研究費に基づく応募の場合は、要旨の末尾にその旨を記載してください。
  • パネルセッションは、会員が自由にテーマを設定し、複数名で研究発表およびディスカッションを行うものとします。応募代表者は、人選、発表の手順、発表とディスカッションの時間配分などを自由に企画することができます。発表要旨には、テーマの学術的な意義や論点を記すとともに、司会および発表者の役割分担(各発表タイトル)などについても記載してください。
  • 個人発表の時間は35分(発表25分、質疑10分)、パネルセッションは2時間とします。

応募書類

下記の1.~6.の情報をA4一枚(パネルディスカッションの場合は二枚)にまとめ、ワード原稿およびそのPDFのE-mail添付でご応募ください。メール不着防止のため、下記の応募・問い合わせ先メールアドレス①➁の両方に同じ内容をお送りください。

  1. 発表題目および、研究発表かパネルセッションの種別
  2. 発表者氏名(ふりがな)
  3. 所属・身分(学年)
  4. 連絡用の住所、電話番号、E-mailアドレス
  5. 使用予定機器  
  6. 発表要旨(個人発表は800字、パネルセッションは1600字程度) 

応募締め切り

2026年8月10日(月)必着

※採否結果は、9月15日頃までに通知の予定です。なお、発表要旨は研究集会の要旨集、および学会紀要への掲載を前提とするため、実行委員会および企画運営委員会で審査の上で、一部修正をお願いすることがあります。あらかじめご了承ください。

応募・お問い合わせ先

2026年度日本演劇学会「秋の研究集会」実行委員会 宛

件名:2026年成城集会応募

E-mail①: y3yamash★seijo.ac.jp(★をアットマークに換えてご送信ください)E-mail➁: teruyama67★gmail.com (★をアットマークに換えてご送信ください)

※e-mail でのお問い合わせにご協力をお願いいたします。メール不達対策として双方のアドレスにお送りくださいますようお願いいたします。

上記の内容については下記リンクからPDFファイルでもダウンロードしていただけます。

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