公開シンポジウム「舞台におけるヴァーチャル」(立教大学心理芸術人文学研究所主催)開催のお知らせ
公演・催事のお知らせ
公開日:2024-10-28 / 更新日:2024-10-28

(会員関係企画をご紹介します)
一般にはヴァーチャル・リアリティ(コンピューターによる仮想現実)という言葉によって知られる「ヴァーチャル the virtual」という概念は、哲学史においては現実の様態としての潜勢態を意味します。本シンポジウムは、こうした根源的な意味でのヴァーチャル概念を演劇やダンスの文脈に接続し、舞台(人が共に観る場所 theatron)においてどのような知覚・想像体験が起こるのかを理論的に、また実践的に探求します。
優れた舞台においては、しばしば不可思議な情動反応や魔術的なビジョンが体験されます。そこでは、明瞭な形や刺激として認知される手前のもの・未満のもの・以外のものが大きな役割を果たしていると考えられます。芸術体験に作用するこうした審級を仮に「ヴァーチャル(潜勢的)な次元」と呼びます。私たちはそれをいかにして学術的に論じ、芸術の実践に結びつけることができるでしょうか。またそれは狭義のヴァーチャル・リアリティや没入的な映像テクノロジーの体験と何らかの関係をもつのでしょうか。
心理芸術人文学研究所では、こうした問いを探求するために連続研究会を2年間にわたって開催し、哲学、映像研究、心理学など様々な分野の専門家を招いて討議を重ねてきました。この研究会の成果を広く学内外に届けるために、本シンポジウムを開催いたします。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
日時・会場
- 日時:2024年11月17日(日)10:00~17:00
- 会場:立教大学 池袋キャンパス 太刀川記念館3階 カンファレンス・ルーム
内容
- 10:00~12:00 パネルⅠ
- かたちのてまえ──形象・身体・ダンスと/におけるヴァーチャル
- 「身体原則の此岸」柿並良佑
- 「形象的なリズム」星野太
- 「言葉という潜在的ダンス──大野一雄の蔵書への書き込みより」宮川麻理子
- コメンテイター:宇野邦一
- かたちのてまえ──形象・身体・ダンスと/におけるヴァーチャル
- 13:10~13:55 ワークショップⅠ
- 「母の死を上演する試み」
- 作・演出:松田正隆
- 出演:生実慧、吉田萌、我妻直弥
- 「母の死を上演する試み」
- 14:05–14:50 ワークショップⅡ
- 「視覚変換経験を通したダンスの実験ワークショップ」
- 砂連尾理、白井述
- 「視覚変換経験を通したダンスの実験ワークショップ」
- 15:00~17:00 パネルⅡ
- 観ることの層──観客の経験におけるヴァーチャル
- 「世界を二重化する装置としての劇場/演劇/XR」相馬千秋
- 「ドゥルーズとラカンの「ヴァーチャル」と演劇の経験」平田栄一朗
- 「私たちは能舞台に何を想像するのか──物語と修辞のあわい」横山太郎
- コメンテイター:田崎英明
- 観ることの層──観客の経験におけるヴァーチャル
詳細情報
- ウェブページ(「研究所からのお知らせ」をご覧ください):https://www.rikkyo.ac.jp/research/institute/riarpah/
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