広島・長崎の記憶についての声明

日本演劇学会

 2025年6月、日本演劇学会は広島大学において大会を開催した。広島においておこなわれた初めての全国大会であった。そしてそれは、広島・長崎への原子爆弾投下からちょうど80年目の年であった。

 1945年8月、広島・長崎に投下された原子爆弾は、当時モダンな都市として栄えていた両地域を一瞬にして焼き尽くし、言語に絶する光景を現出させた。このことは、今なお豊富な資料によって、また多くの語り部の人びとの伝承の努力によって、われわれの耳目に届いている。当時の悲惨な体験、またそれに続く被爆者の苦痛に満ちた人生は、報道のみならず、演劇を含む多様な芸術創作を通じて継承され、伝播し、すでに人類の経験の一部となった。この経験を保持し、将来に生かすことは、われわれの義務である。

 翻って、世界情勢の現実は、広島・長崎の記憶に敬意を表するような方向に向かっていない、と言わざるを得ない。

 今こそわれわれは、原爆の記憶を新たにし、将来におけるいかなる核兵器の使用にも反対する。日本演劇学会は、演劇研究を通して、完全な平和の実現に誠心誠意努力することを宣言する。

※日本演劇学会は、2026年6月21日に開催された総会にて、上記の声明を採択しました。

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