2008/10/15

2008年度 日本演劇学会 秋の研究集会

テーマ

ライヴとメディア

〈ご案内〉

 

秋晴の候、日本演劇学会員の皆様方におかれましては益々ご健勝のことと存じます。この度は皆様のお力添えにより、当校にて2008年度の秋の研究集会を開催できる運びとなりました。つきましては、会の詳細が決定いたしましたので、改めてご案内申し上げます。会員の皆様のご参加をお待ちしておりますので奮ってご参加下さい。

日時

20081115日(土)、16日(日)

研究集会: 15日(土) 14001330受付開始)〜1700

16日(日) 1000 930受付開始)〜1615

懇親会:    15日(土) 18002000

 

会場

研究集会: 群馬県立女子大学・新館

                  3701193 群馬県佐波郡玉村町上之手13951

                            пF0270-65-8511(代表)実行委員:北野雅弘(内線312)木下耕介(内線310

 

懇親会:    高崎ワシントンホテルプラザ

                            370-0849 群馬県高崎市八島町70

пF027-324-5111Fax 027-324-5112

 

会費

研究集会: 1,000

懇親会費: 5,000

二日目のお弁当代(飲み物付):1,000円※

(※二日目のお弁当をご希望の方は予め返信用はがきにてその旨をお伝え下さい)

 

以上

 

恐れ入りますが会員の皆様には、同封のはがきにて、1031日(金)〈当日消印有効〉までに出欠をお知らせくださいますようお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

プログラム タイムテーブルはこちら

 

〈プログラム全体について〉

 今回の研究集会では、「ライヴとメディア」というテーマに多角的に迫るべく、演劇学会の諸先生方に加えて、映画研究やメディア・アートを専門にされている研究者の先生方をお招きし、シンポジウム(基調講演+パネルセッション)および特別講演を行なっていただきます。

 

〈シンポジウム〉

 第一日目のシンポジウムでは、基調講演として、映像作家としてもご活躍されている伊奈新祐先生(京都精華大学芸術学部)に「パフォーマンスとドキュメンタリー・アート」というタイトルの基調講演を行なっていただき、先生ご自身のドキュメンタリー・アート作品も上映していただきます。

その後、ご講演を受けたかたちで、立命館大学映像学部の北野圭介先生、千葉商科大学の山下純照先生にも加わっていただいて、パネルセッションを企画しております。メディア・アート、映画研究、演劇研究といった隣接し合う領野の知見をお持ちの先生方により、演劇とニューメディアの関係、あるいは身体性、現前性などの演劇研究における今日的な議題についての刺激的な討論を展開していただけるものと期待しております。

 

〈研究発表〉

今回の研究集会ではふたつの分科会を開き、それぞれが二本の研究発表から構成されています。分科会Aは、戯曲の中に書き込まれたメディア性について、および戯曲内にあってライヴ性を規定する要素についての研究発表です。これはライヴとメディアについての議論ではややもすると見落とされがちなものです。戯曲研究は演劇研究においては必須の領域であり、その中でのライヴ性とメディアについての議論は欠くべからざるものでしょう。分科会Bは、上演に先行する、演劇創造の過程でのメディアの使用についての研究発表です。それも、一方は能という芸能の世界におけるメディアの使用について、またもう一方は新国立劇場における現在の上演についてのものであり、その点で歴史的な射程の広い分科会になると思われます。

 

〈特別講演〉

二日目の午前中を締め括るのは、岩本憲児先生(日本大学芸術学部)による特別講演「エクスパンデッド・シネマ/エクスパンデッド・シアター」です。岩本先生のご講演では、映画研究の側から、映画という本来ライヴ性を持たないメディアが、歴史的にライヴ性と関わりあってきた経緯を概観していただけることと存じます。より具体的には、メディア・アートの世界における実験的な上映の試み「エクスパンデッド・シネマ」が登場する1960年代をその転換期に据えて、それ以降の映像と舞台の大きな流れを、映画とライヴの双方が接近し、融合する流れとして捉える、という内容で、おそらくは大変示唆に富んだものなるに違いありません。

 

〈パネルセッション〉

二日目の午後は、これまでの議論も踏まえつつ、西洋と東洋、ふたつの領域における「ケース・スタディ」を展開していただく予定です。一つめのパネルセッションAでは、井上優先生(明治大学)の進行で、末松美知子先生(群馬大学)、大林のり子先生(北翔大学)を交え、シェイクスピア作品と映像メディアの関わりについて論じていただきます。映画史を振り返ってみてもシェイクスピアほど多くの映画化がなされた劇作家はおらず、ケース・スタディとしては必須の対象に違いありません。

パネルセッションBでは、おそらくは日本演劇の舞台における映像メディアの取り込みの最初期の例であろう、連鎖劇の展開について、大阪市立大学の三上雅子先生の司会で、萩原健先生(明治大学)、志村三代子先生(早稲田大学)、横田洋先生(大阪大学)の三人の若手研究者の方々に論じていただきます。20世紀初頭のほんの短い期間、映画と演劇が融合したこの稀有な時代について、豊かな知見を得られるセッションになるでしょう。

 

以上、実行委員会と致しましては、二日間という短い会期ながら、非常に密度の濃い集会になったのではないかと自負しております。会員の皆様のご出席をお待ちしております。