2011年度 日本演劇学会 全国大会

テーマ:劇場と社会

日 程:2011年 6月18日(土)〜19日(日)

場 所:日本大学芸術学部/江古田校舎(東京都練馬区)

大会案内 PDFデータ Page1 Page4 タイムテーブル(Page2-3)

近代以降、日本における演劇製作の中心は劇団にありました。現代演劇の拠点として長らく待望されてきた新国立劇場の設立もあって、製作拠点となるべき公立劇場が各地に生まれました。多大な公費の導入で運営される劇場には、どのような課題があるのか。納税者は劇場に何を求めているのか。その意向を受けて、今後、劇場はどのような役割を担えばいいのでしょう。たとえば、地域に根ざした演劇文化の蓄積と更新、その発信と、演劇リテラシーの教育ということになるのかもしれません。ただし、わが国ではそのような劇場は迎えられるのかどうか。そこには、演劇文化が公共性を持ちえていないゆえの諸問題があるようです。

一方で、劇場は一つの社会を形成しています。そこには様々なテリトリーがあり、棲み分けが行われています。管理運営と創造の現場とはどのようなバランスの中で運営されているのでしょうか。劇場の制度は上演に何らかの影響を与えているに違いありません。

もう一つの重要な課題は観客です。上演が観客の存在なしにありえないのはいうまでもありませんが、演出や演技などの上演方法にどのように取り込まれ、記録、研究の対象となってきたのか。

観客や劇場で仕事をする職業演劇人を輩出するのが、教育機関になります。近年、演劇や表現を授業で取り上げ、また、専門として扱う高等学校が増えてきましたが、演劇の学びはいかなるディシプリンをもたらすのでしょう。

学会では、2009年に「演劇と共同体」(全国大会)「公共劇場のゆくえ」(研究集会)と、関連するテーマを扱ってきましたが、劇場と社会の関係を、セッション、研究発表により問い直したいと思います。今回は、口頭発表のみならず、デモンストレーション形式の発表も受け入れたいと考えています。会員諸氏の積極的なご応募を期待します。

日本大学芸術学部演劇学科

日本演劇学会全国大会実行委員会

藤崎周平・熊谷保宏・穴澤万里子