2024年度日本演劇学会研究集会 研究発表募集のお知らせ【2024年3月15日更新】 | 日本演劇学会

2024年度日本演劇学会研究集会 研究発表募集のお知らせ【2024年3月15日更新】

公開日:2024-01-22 / 更新日:2024-03-15

  • 全体テーマ:演劇の公共性と多様性
  • 期日:2024年11月30日(土)、12月1日(日)
  • 会場:東京経済大学 (〒185-8502 東京都国分寺市南町1-7-34)(国分寺駅から徒歩10分)

趣旨:

 現在の日本では演劇がきわめて多様なジャンルに亘って上演されている。きわめて少数の芸術性の高い「世界水準」の演劇がある一方で、商業性やエンターテインメント性を求める観客の嗜好にあわせたミュージカルや宝塚が人気を集め、また能や歌舞伎や文楽のような安定した顧客を持つ伝統演劇が存在し、また商業性とは別個に公共性や地域性を主眼とした地域市民演劇や素人演劇、ろう演劇や障碍者演劇、人形劇やオブジェクト・シアターなども盛んである。そして大都市発の多くの演劇は、「旧新劇系」「旧アングラ」「旧八〇年代小劇場系」として、特定劇団のファンを中心に地方においてもそれなりの観客を集めている。

 演劇が公共性を旨とするということは、このような多様な状況を是とすべきなのか、それとも演劇が真に「多様」であるためには「淘汰されるべき」演劇を批判するのか、こうした論争的な問いを一つの出発点としながら、演劇の公共性について再考したい。その文脈において、以下のようないくつかの問題系が考察できると思われる。

 20世紀末からの日本における「公共劇場」の「遅れた」創設とその現状をどう考えるか? コロナ以降の演劇状況としてのチケット代金の高騰、観客の減少、オンライン化の波にどう対処するのか? より広範な状況としては、世界における物価の高騰、経済格差の拡大、彼我の距離の障壁、そして感染症の蔓延、終わらない戦争、地球環境の危機をもたらす気候変動などが、芸術や人文学の課題として急速に浮上しているなかで、こうした状況に対処するのに、演劇はどのような力を持ちうるか? 現代的なテーマとしては、演劇とポストコロニアリズム、演劇とエコロジー、演劇と新自由主義、演劇と新しい人類学、演劇と思弁的実在論といった主題について、どのような理論的考察が可能か?また演劇史の文脈において、公共性と多様性という観点から、古代演劇と中世宗教劇の終焉と近代演劇の勃興、ロマン主義登場による古典主義の衰退、あるいは日本における近世から近代劇への変遷といったテーマをどのように俯瞰しうるか?「演劇が公共のものであり多様であるべきだ」という主張は、こうした問いへの視座を、演劇実践とそれをめぐる批評および研究活動が見失わない限りにおいて有効であろうと思われる。

 さまざまな演劇ジャンルの舞台芸術作品を具体的に分析するものから、「公共性」「多様性」をめぐる理論的考察、日本と他世界における「公共劇場」の歴史や現況についての論考、演劇活動を支える文化的・政治的・経済的な権力構造の探求まで、2024年度研究集会では幅広く研究発表を募ります。テーマ以外の発表も応募可能です。ふるってご応募ください。

2024年度日本演劇学会研究集会実行委員会
本橋哲也・塚本知佳

応募資格及び応募要項

  1. 日本演劇学会の会員であること。
    パネルセッションの場合も、複数の発表者全員が会員であることとする。
    応募時に、2024年度までの会費を完納していること。
    ※新入会の場合は、応募時までに、2024年度の入会手続(オンライン申請)と会費納入を済ませていただくことで発表応募可能です。会費納入が確認された時点より応募が可能となりますので、余裕を持ってお手続きをお願いします。
  2. 応募は、個人発表・パネルセッションの別に限らず1人1件とする。
  3. 研究発表の内容は、学会(他の学会含む)や雑誌等において未発表のものとする。
  4. 発表要旨に盛り込むべき内容は、予定としての概要ではなく、実際に発表する内容の要約として、論点、論証の概略、学術的な意義や独自性などを簡潔明瞭に記載すること。
    パネルセッションは、会員が自由にテーマを設定し、複数名で研究発表およびディスカッションを行うものとする。応募代表者は、人選、発表の手順、発表とディスカッションの時間配分などを自由に企画することができる。ただし、要旨には、テーマの学術的な意義や論点を記すとともに、司会および発表者の役割分担(各発表タイトル)などについても記載すること。
  5. 個人発表の時間は35分(発表25分、質疑10分)、パネルセッションは2時間とする。

応募書類

下記の①〜⑥の情報を A4一枚にまとめ、E-mail添付(件名:2024年度日本演劇学会研究集会応募)、または郵送でご応募ください。

  1. 発表題目 および、研究発表/パネルセッションの別
  2. 発表者氏名(ふりがな)
  3. 所属・身分(学年)
  4. 連絡用の住所、電話番号、E-mailアドレス
  5. 使用予定機器
  6. 発表要旨(研究発表:800字程度/パネルセッション:1600字程度)

応募締切り

2024年8月31日(土)当日消印有効
*採否結果は、10月初旬頃に通知の予定です。

応募・お問い合わせ先

2024年度日本演劇学会研究集会実行委員会 宛
〒185-8502 東京都国分寺市南町1-7-34
東京経済大学コミュニケーション学部 本橋哲也研究室内
E-mail : ted-m7★tku.ac.jp(★をアットマークに換えてご送信ください)
Fax : 042-328-9774

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