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西洋比較演劇研究会 第235回例会(5月18日)案内

公開日:2024-05-04 / 更新日:2024-05-04

 ゴールデンウィークの最中、皆様いかがお過ごしでしょうか。今年度から、「研究発表」、「シンポジウム」あるいは「パネル・ディスカッション」、「合評会」といった従来の枠組に加え、新たな例会内容の枠を設けました。「談話」は、ざっくばらんに知識・経験・感想を共有する中から、次なる研究の火だねを探そうというもくろみです。どうぞ大勢の方の参加をお待ちしております。

  • 日時:5月18日(土) 15:00―18:30
  • 会場:成城大学7号館 714教室 
  • 内容 
    • <談話1>15:00―16:50 対面・オンライン併設
      狩野良規「21世紀イギリス演劇のある種の傾向――NTライブの作品を題材にして」
    • <談話2>17:00―18:30 オンライン発表(1で対面の参加者はそのまま参加いただけます)
      横田宇雄「劇場への旅 2023/24冬」

要旨
狩野良規 「21世紀イギリス演劇のある種の傾向――NTライブの作品を題材にして」
 ナショナル・シアター・ライブ・イン・ジャパン(National Theatre Live in Japan)が昨年、2023年いっぱいで満10周年を迎えた。ロンドンの国立劇場を中心とする、かの地の演劇を舞台中継する企画。有難いのは、イギリスの観客は喜ぶであろう、しかし日本人にはこれは受けないだろうという“ジャスト・ブリティッシュ”な、実験的かつ野心的な芝居が多く含まれていること。そこで、10年間に日本で放映された65作品(含ナショナル・シアター・アット・ホームから3本)を題材に、演劇と映像の異同、また21世紀のイギリス演劇の傾向について雑談したい。各国の演劇を専門とするフロアの皆様に、異論・反論を含めた議論のネタを提供できればと考えている。

横田宇雄 「劇場への旅 2023/24冬」
 2023年の冬にドイツ・フランス・イタリアを約1カ月半、周遊しました。11都市の劇場を回り、建築後100年以上経つ劇場が、現在どのように管理・運用されているのかを調査しました。
 こうした劇場は例外なく、修繕や改装を経て今日の姿を維持していますが、年代・地域によって修復の考え方は異なります。私が対象とする劇場は100を超えますが、今回私が調査した分において、ドイツでは第二次世界大戦の経験をどう建築の中に残していくか、フランスではいかに現代的な用途に合わせるか、イタリアではいかに文化遺産として保全するかという傾向性を感じ取りました。
 また今回の調査では、文化芸術の様相だけではなく、「コロナ明け」に、ヨーロッパと日本の社会の差がよく見えるようになったように思います。インフレーションが社会問題化するほど深刻なEU社会と比較しながら、ロシア・中国・アメリカという大国に囲まれている日本が参照すべき「先進国」は、本当に/いまだにヨーロッパなのだろうかという疑念を抱きました。
 この度の談話では、文化芸術に限らず、EU滞在で感じたことを、広くざっくばらんにお話できればと思います。

  • プロフィール
  • 狩野良規(かのう よしき)
    • 2024年3月に青山学院大学を定年退職。晴れて無職、自由の身。東京外国語大学外国語学研究科修士課程修了、東京都立大学人文学部(史学専攻)卒業。専門は、イギリスおよびヨーロッパ文学・演劇学・映像論。
  • 横田宇雄(よこた たかお)
    • 劇場建築研究(フランス)。パリ第10大学大学院(演劇学)にて修士号を取得後、公益財団法人静岡県舞台芸術センターに専属スタッフとして勤務。株式会社スタックピクチャーズを経て、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本―ヴィラ九条山に勤務。日仏演劇協会実行委員。









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  • 基本的に西洋演劇研究を軸としつつも、比較の観点から広く演劇現象全般を見渡すという姿勢を貫いています。国際的な意識を持って活動する国内・国外の演劇人・研究者たちを招いて、意見交換をする場も設けています。

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